仕組み

投資家を守る信託保全の仕組み

信託保全とはFX業者の倒産時に全額返金される制度

FX業者が倒産したら預けたお金はどうなるの?

大切なお金をFX業者に預ける事を考えれば、こうした疑問を持つのは当然ですよね。

2024年現在、国内のFX業者に預けた資金は「信託保全」によって完全に保護される事が法律で定められています。

そのため、仮にFX業者が倒産しても私たちが預けた資金は全額返金されます。

しかし今に至るまでには、様々な悪質業者による問題が起きていました。

顧客の資金を運転資金などに流用して破綻したり、難癖をつけて出金を拒否したり、顧客に不利なレートで約定させたり…という悪質なFX業者が存在していたんです。

実はFXが個人投資家に普及したのは、インターネットが進歩を遂げた2000年代になってからです。

FXはまだ20年も経っていないほど歴史の浅い投資分野なので、法整備が追いつかない隙に不届き者がのさばる時期があるのは事実です。

紆余曲折を経て悪質業者を排除する目的ために、信託保全の義務化などの法整備を行いFXトレーダーは保護されるようになっています。

仮想通貨とFX少し余談になりますが、ビットコインに代表される仮想通貨の交換業者に対しては、信託保全の義務化などの法整備がまだ追いついていません。
投資家の資金が守られるという点も、FXに最近注目が集まっている理由の1つと考えられます。

信託保全の仕組み

信託保全とは、私たちが入金したお金をFX業者が自社の資産とは切り分け、信託銀行などに管理委託する仕組みです。

FXプライムの信託保全の解説イラスト

FXプライムより引用

FX業者に入金したお金は、業者が手を付けられない別口座(=信託銀行)に預けられます。

この信託銀行の口座は、預けた業者が横領できないように受益者代理人(弁護士)がチェックしている特殊な口座というのがポイントです。

もしFX業者が倒産しても、会社の資産とは別口座で管理されていた資金なので、全額が戻ってきます。

以下が、FX業者が倒産した場合のお金の流れです。

FXプライムの信託保全の解説イラスト

FXプライムより引用

ちなみにFX業者が利用している信託銀行は、その多くが三菱UFJ・三井住友・みずほと言ったメガバンクの信託銀行であるケースが大半なので、その点でも安心感があります。

でも今やどんな大企業でも安泰ではない時代。

万が一、信託銀行が倒産した場合でも法律(信託法)で私たちの資金は保護されるので安心です。

FX業者が倒産しようが、信託銀行が倒産しようが、お金は全額返ってくるという事です(笑)

分かりやすくお伝えすると、以下のイメージになります。
FX業者における信託保全のイメージ図

ちなみに信託保全で返金される金額の上限はありません。

一般の銀行が破綻した場合は、ペイオフによって上限1000万円までが預金保護の対象となりますが、FXの場合は上限なしです。

その点も、億の資産を持つトレーダーが日本の証券会社を使う理由の1つとなっています。

信託保全の中にも、完全信託保全・分割保管・一部信託保全などの種類がありますが、現在では最も安全性の高い完全信託保全が義務化されているので、国内のFX業者の信頼性は極めて高いと言えます。

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信託保全はリアルタイムではない

信託保全は顧客の口座資金が保全される仕組みですが、デイトレーダーであれば口座資金は常に変化しますよね。

しかし、対象となる口座資金をリアルタイムでチェックしている訳ではありません。

FX業者のほとんどは、毎営業日のNYクローズ時に顧客の資産額を計算し、翌営業日~2営業日以内に顧客の資産を信託しています。

つまり口座資金が実際に信託保全されるまでにはタイムラグがあるという事です。

意地悪な言い方をすれば、1日で1千万円を稼いでも信託保全される前にFX業者が倒産したら、その1千万円は戻って来ない可能性が高いです。

レバレッジ25倍の国内業者で1日で1千万円稼げる人は相当な資金量であることは間違いないので、そこまで神経質になる必要は無いと思いますが(笑)

タイムラグがあるにせよ、国内の全業者に完全信託保全が義務化されている点は大きなメリットです。

一方で海外FX業者の場合、信託保全制度はありますが日本とは異なるので義務化はされていません。

こうした違いも、多くの人が国内業者を使う理由の1つとなっています。

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